日本の世界遺産は、文化遺産が圧倒的に多いが、1992年の条約批准以来、着実に数を増やしつづけている。どれも日本が誇れる自然や文化が残っている世界遺産となっている。
日本の世界遺産リスト
NO | 世界遺産名 | 種別 | 所在地 | 登録年月 |
1 | 白神山地 | 自然遺産 | 青森県・秋田県 | 1993年12月 |
青森県と秋田県にまたがる標高100mから1200mにおよぶ山岳地帯・白神山地。
世界最大規模のブナ林が広い地域にほぼ原生のままの状態で残されていることが評価され、自然遺産として登録されている。
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2 | 屋久島 | 自然遺産 | 鹿児島県 | 1993年12月 |
日本特産の杉のすぐれた生育地である屋久島。南の植物から北の植物へと連続的に変化する植生(垂直分布)が見られること、
照葉樹林が広範囲に原生状態で残されているこなどが評価され自然遺産として登録されている。
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3 | 姫路城 | 文化遺産 | 兵庫県 | 1993年12月 |
白壁が美しく華やかな構成美が羽を広げて舞う白鷺にたとえられる姫路城。
日本における城郭建築技術の最盛期の建造物として、現存する城郭建築の最高傑作として文化遺産に登録されている。
姫路城は「不戦・不焼の城」といわれ、長い歴史の中で戦いや火災に巻き込まれず、終戦間際の空襲も奇跡的に免れてきた。
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4 | 法隆寺地域の仏教建造物 | 文化遺産 | 奈良県 | 1993年12月 |
7世紀初期から建立がはじまった飛鳥時代の仏教建造物。 現存する木造建築物としては世界最古の法隆寺と、現存する最古の三重塔のある法起寺が文化遺産として登録されている。 |
5 | 古都京都の文化財 | 文化遺産 | 京都府 | 1994年12月 |
平安時代から江戸時代まで日本の首都であった京都の文化財。 その1000年以上にわたる各時代の歴史と文化を象徴する社寺と城郭(17件)が文化遺産として登録されている。 【登録されている社寺と城郭】 下鴨神社・上賀茂神社・西芳寺・高山寺・清水寺・延暦寺・東寺・醍醐寺・仁和寺 平等院・宇治上神社・天龍寺・西本願寺・金閣寺・龍安寺・銀閣寺・二条城 ⇒京都詳細地図はこちら |
6 | 白川郷、五箇山の合掌造り集落 | 文化遺産 | 岐阜県 | 1995年12月 |
岐阜県と富山県にまたがる山間部の合掌造り集落。 険しい山間部の豪雪に耐え、内部は養蚕に利用するために工夫された合掌造り家屋と、その周辺の自然景観が文化遺産として登録されている。 【登録されている集落】 ・岐阜県白川村荻町集落 ・富山県上平村菅沼集落 ・富山県平村相倉集落 |
7 | 原爆ドーム | 文化遺産 | 広島県 | 1996年12月 |
1945(昭和20年)8月6日、広島市に投下された原子爆弾によって破壊された広島県産業奨励館の残骸。 人類にとっては負の遺産。後世に引き継ぐべき「歴史の生き証人」として文化遺産に登録されている。 |
8 | 厳島神社 | 文化遺産 | 広島県 | 1996年12月 |
国際的にも例がない潮の干満を利用して設計されたは厳島神社。 その周辺にある大鳥居、五重塔などの建造物と、前面の海、背後の弥山原始林一帯が文化遺産として登録されている。 「厳島」というのは「神を斎(いつ)き祭る島」が語源だと言われ、鎌倉時代から宮島全体が神社地として保護され、農耕が禁じられてきたことから、当時のままの姿で保存されている。 |
9 | 古都奈良の文化財 | 文化遺産 | 奈良県 | 1998年12月 |
日本国家の基礎が整った奈良時代の文化財。 その時代の文化をそのままに伝える春日神社、東大寺、春日山原始林などの社寺と自然景観(8件)が文化遺産として登録されている。 【登録されている遺跡】 ・東大寺 ・ 春日大社 ・ 春日山原始林 ・ 興福寺 ・元興寺 ・ 薬師寺 ・ 唐招提寺 ・ 平城宮跡 |
10 | 日光の社寺 | 文化遺産 | 栃木県 | 1999年12月 |
自然環境と一体になって配置されている日光の社寺。 東照宮、二荒山神社、輪王寺などの建造物103棟と、それらを取りまく自然環境と一体になった文化的景観が文化遺産として登録されている。 |
11 | 琉球王国の城(グスク)及び関連遺産群 | 文化遺産 | 沖縄県 | 2000年12月 |
三山時代から琉球王国時代におけるグスクと関連遺跡。 14世紀後半から生み出された独自の文化を伝えるグスク(5件)と関連遺跡(4件)が文化遺産として登録されている。 【登録されているグスク(城)】 ・今帰仁城跡 ・ 座喜味城跡 ・ 勝連城跡 ・中城城跡 ・首里城跡 【関連遺跡】 ・園比屋武御嶽石門 ・ 玉陵 ・ 識名園 ・ 斎場御嶽 |
12 | 紀伊山地の霊場と参詣道 | 文化遺産 | 奈良県・和歌山県・三重県 | 2004年7月 |
紀伊山地の3つの霊場(熊野三山、吉野・大峯、高野山)とそれらを結ぶ参詣道。 世界的にも類例のない長い歴史を誇る社寺と、自然が織りなす文化的景観が文化遺産として登録されている。 登録されている地域は奈良県、和歌山県、三重県にまたがる29市町村、日本最大の文化遺産。 「道」が世界遺産として登録されたのは、スペイン~フランスにまたがる巡礼道「サンディアゴ・デ・コンポステラへの道」についで2件目。 |
13 | 知床 | 自然遺産 | 北海道 | 2005年7月 |
オホーツク海と根室海峡に挟まれた知床(北海道)、斜里町と羅臼町にまたがる知床半島と その沖合3kmまでの海域が世界自然遺産に登録された。 国内では屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森県、秋田県)に次いで3番目の世界自然遺産になった。 |
14 | 石見銀山遺跡とその文化的景観 | 文化遺産 | 島根県 | 2007年6月 |
石見銀山は、島根県大田市にある、戦国時代後期から江戸時代前期にかけて最盛期を迎えた日本最大の銀山。
当時世界の銀の3割を産出したと推定される。大森銀山とも呼ばれ、江戸時代初期は佐摩銀山と呼ばれた。明治期以降は銅などの鉱物が主に採鉱された。 |
15 | 小笠原諸島 | 自然遺産 | 東京 | 2011年6月 |
小笠原諸島は日本列島の南方の北太平洋に位置し、南北約400kmにわたって散在する島々の総称で、
大小30余りもの島々から成り、群島、火山列島、三つの孤立島で構成されている。
日本列島からは約1000kmも離れており、どの島も一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島で、
世界有数の透明度を誇る海に囲まれた、独自の生態系の動植物を有する自然の宝庫。
固有種の比率が高く、化石と現存する種から進化の過程が分かる世界的にも珍しい場所でそのことから、「東洋のガラパゴス」とも呼ばれている。
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16 | 平泉-仏国土を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 | 文化遺産 | 岩手県 | 2011年6月 |
平泉は岩手県南西部にある古くからの地名であり、奥州藤原氏が栄えた時代の寺院や遺跡群が多く残り、
そのうち5件が「平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の名で、2011年6月にユネスコの世界遺産リストに登録された。
日本の世界遺産の中では12番目に登録された文化遺産であり、東北地方では初の世界文化遺産となった。
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17 | 富士山 | 文化遺産 | 山梨県・静岡県 | 2013年6月 |
山頂の信仰遺跡群や登山道、富士山本宮浅間大社、富士五湖、忍野八海などで構成。
古来、日本人の重要な信仰対象であり続けてきたことに加え、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎らの作品の題材になって
海外にも影響を与えた芸術の源泉としての価値が評価された。
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18 | 富岡製糸場と絹産業遺産群 | 文化遺産 | 群馬県 | 2014年6月 |
群馬県域には、日本初の大規模工場として誕生した富岡製糸場はじめ、近代養蚕飼育法を確立した養蚕農家群、自然の冷気を利用して蚕種(繭の卵)を貯蔵した風穴などの絹産業遺産が、当時のままの状態で遺されている。 明治5年(1872年)に建設された富岡製糸場は、フランス技術を導入した生糸の大量生産によって、養蚕・製糸・織物にかかわる一連の絹産業を発展させた。その先進的な技術は国内各地に伝播され、さらに養蚕の技術革新が進み、原料繭の大量生産に成功した。 構成資産は次の4資産。 ①富岡製糸場(とみおかせいしじょう) ②田島弥平旧宅(たじまやへいきゅうたく) ③高山社跡(たかやましゃあと) ④荒船風穴(あらふねふうけつ) |
19 | 明治日本の産業革命遺産 | 文化遺産 | 日本8県 | 2015年7月 |
岩手県から鹿児島県に点在する23資産が、幕末期の西洋技術の導入や、その後の国家主導で発展させてきた
鉄鋼・製鉄、造船、石炭産業の近代工業化の過程を示す資産として顕著な普遍的価値を有していると評価され、登録されたもの。
構成資産は、次の8エリアに点在する幕末の1850年代から明治末期の1910年までの23資産。 【1:萩】 1:萩反射炉 2:美須ケ鼻造船所跡 3:大板山たたら製鉄遺跡 4:萩城下町 5:松下村塾 【2:鹿児島】6:旧集成館 7:寺山炭窯跡 8:関吉の疎水溝 【3:韮山】9:韮山反射炉 【4:釜石】10:橋野鉄鉱山・高炉跡 【5:佐賀】11:三重津海軍所跡 【6:長崎】12:小菅修船場跡 13:三菱長崎造船所第三船渠 14:三菱長崎造船所ジャイアント・カンチレバークレーン 15:三菱長崎造船所旧木型場 16:三菱長崎造船所占勝閣 17:高島炭鉱 18:端島炭鉱 19:旧グラバー住宅 【7:三池】20:三池炭鉱・三池港 21:三角西(旧)港 【8:八幡】22:官営八幡製鉄所 23:遠賀川水源地ポンプ室 |
21 | 『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群 | 文化遺産 | 福岡県 | 2017年7月 |
構成資産は、本土から約60キロの玄界灘に浮かび、「日本書紀」にも登場する海の女神が鎮座する宗像大社沖津宮がある沖ノ島
、小屋島(こやじま)、御門柱(みかどばしら)、天狗岩(てんぐいわ、以上宗像市)の4資産。
他、本土から約11キロ沖の大島にある中津宮と沖津宮遥拝所、宗像大社辺津宮、新原・奴山古墳群の計8資産。 |
22 | 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 | 文化遺産 | 長崎県 / 熊本県 | 2018年7月 |
17世紀から19世紀の2世紀以上にわたるキリスト教禁教政策の下で、ひそかに信仰を伝えた人々の歴史を
物語る他に例を見ない証拠。長崎と天草地方の潜伏キリシタンが「潜伏」したきっかけや、
信仰の実践と共同体の維持のためにひそかに行った様々な試みなどを伝える。
【12の構成資産】 ①原城址 ②平戸島の聖地と集落-春日集落と安満岳 ③平戸島の聖地と集落-中江の島 ④天草の崎津集落 ⑤外海の出津集落 ⑥外海の大野集落 ⑦黒島の集落 ⑧野崎島の集落跡 ⑨頭ヶ島の集落 ⑩久賀島の集落 ⑪奈留島の江上集落-江上天主堂とその周辺 ⑫大浦天主堂 |
23 | 百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群 | 文化遺産 | 大阪府 | 2019年7月 |
大阪府南部の堺市、羽曳野市、藤井寺市の3市にまたがる4世紀後半から5世紀後半の45件49基が登録対象となる。
49基中29基が歴代天皇や皇后、皇族の墓として宮内庁が管理する陵墓となる。「静安と尊厳の保持」を理由に一般の人の立ち入りは禁じられており、学術的な調査も制限されている。
参考:wikipedia |
24 | 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 | 自然遺産 | 鹿児島県・沖縄県 | 2021年7月 |
奄美大島と徳之島、それに沖縄本島北部と西表島にあるおよそ4万3000ヘクタールの森林などについて、「アマミノクロウサギ」や「ヤンバルクイナ」、「イリオモテヤマネコ」といった固有の生き物が生息し、生物の多様性が残る貴重な地域だとして、世界自然遺産への登録された。国内の世界自然遺産はこれで5件目。
参考:奄美市HP |
25 | 北海道・北東北の縄文遺跡群 | 文化遺産 | 北海道・青森県 | 2021年7月 |
北海道・北東北の縄文遺跡群は、この豊かな自然の恵みを受けながら1万年以上にわたり採集・漁労・狩猟により定住した縄文時代の人々の生活と精神文化を今に伝える貴重な文化遺産となっている。
【北海道】垣ノ島遺跡・北黄金貝塚・大船遺跡・入江貝塚・キウス周堤墓群・高砂貝塚 【青森県】大平山元遺跡・田小屋野貝塚・二ツ森貝塚・三内丸山遺跡・小牧野遺跡・大森勝山遺跡 ・亀ヶ岡石器時代遺跡・是川石器時代遺跡 【岩手県】御所野遺跡 【秋田県】伊勢堂岱遺跡・大湯環状列石 【関連資産】長七谷地貝塚・鷲ノ木遺跡 参考:北海道・北東北の縄文遺跡群HP |
26 | 佐渡島の金山 | 文化遺産 | 新潟県 | 2024年7月 |
「佐渡島の金山」は、19世紀半ばの徳川幕府終焉頃まで行われていた伝統的手工業による金生産を示す遺跡である。
「佐渡島の金山」は、大きく①西三川砂金山と②相川鶴子金銀山の2つのエリアから構成され、砂金と鉱石というそれぞれの鉱床の特徴に応じた生産技術と生産体制が高度に発展したことが特徴である。
参考:佐渡島の金山 |